バタバタしていたら3回目の月命日が過ぎ、こむぎの誕生日が近づいてきました。
こむぎは3歳で犬歯破損を経験しました。
専門医のところで犬歯保存の治療をしました。
その後11歳まで定期健診に通い、メンテナンスをしてきました。
麻酔がかけられなくなり、通院は中断しましたが、歯のケアは続け、
亡くなるまで歯が1本も欠けることはありませんでした。
今でもペットショップでは固い骨や蹄が「歯にいい」と売られています。
愛するわんこが歯を失うことがある…
その治療がどんなものか残しておきたくて、本館に保存していた歯科治療の抜粋を再掲します。










犬歯が折れた 06年10月14日
淡路島旅行の日。淡路島に着いて写真を撮ろうとすると舌に血がついている。
口の中を見ようとすると嫌がり唸りなかなか口を開けません。
あくびをした時ようやく見えました。
右下の犬歯が欠けている…
しかも半分以上も…
目の前が真っ暗になりました。
いつ?どこで?
思い当たる節はありません。
幸い元気にごはんもおやつも食べています。
旅行から戻ったら診察に行くことにしました。
帰宅すると階段の途中に折れた歯を発見。
そういえば前日夜中にドタンと音がして、こむぎが階段途中にいました。
その時に欠けたんだ…

診察へ 06年10月16日
写真を持参し、かかりつけのCアニマルクリニックへ。
抜歯しか方法はないと思っていたのですが、先生から2つの治療法を提案されました。
①歯髄を抜いてコーティングする方法
これは歯科専門医でないとできないそうです。
大阪の病院に月1回専門医が来るのでそこで見てもらう。
ただ予約がすぐに入るかわからない。
2~3ヶ月待ちの場合も。
その間虫歯になったり、歯髄の炎症が起きることもある。
②抜歯
犬歯はあごにしっかりついていて抜くのは難しい。
歯茎を大きく切ることになる。
その治療はここでもできる。
抜いたあと大きな穴があくので食べ物がつまったりする。
また舌の収まりが悪く、常に出っぱなしになることも。
歯を残せる可能性があるということに希望の光が見えましたが、
待たなくてはならないこと、その間の不安もありその場では決断できませんでした。
自宅に戻り早速家族会議。
残せるものなら残したいという思いは2人とも一緒でした。
治療待ちの期間、がんばって歯磨きして少しでもトラブルを防ごうという点でも一致しました。
もうひとつ大きなネックはC先生ではないということです。
こむぎはうちに来てからずっとC先生にかかっています。
臆病で恐怖のあまり噛んでしまうという性格もよく知っています。
C先生なら安心して預けられるけど、C先生のところでは抜歯しかない…
悩みに悩んだ末、今回は歯科専門の先生にお願いしようと決断しました。
C先生に連絡をするとすぐに大阪のO動物病院に予約を入れてくれ、
11/1に手術が決まりました。
手術当日 06年11月1日
散歩のあとは朝ご飯。でも今日は手術のため絶食です。
こむぎの痛い視線に耐えられないので飼い主も合わせて絶食しました。
予約の時間は11時。
まだうん〇をしていないので早く出て向こうで散歩することにしました。
予定では1時間で到着します。
ナビはちゃんと道案内してくれるのに上手く進めない…
20分も余計にかかってO動物病院に到着しました。
受付をしている間に近所でお散歩、でも出ません。
待合室で待っているとだんだんと落ち着かなくなるこむぎ。
診察の順番が来て呼ばれました。
緊張がピークに達しています。
看護師さんが保定していますが、震え牙を剥こうとしています。
この状態では噛まれるのは目に見えています。
するとO先生は「いくら歯を残してもあとの歯磨きができないのなら残す必要はない」と言われました。
ショックを受けましたがもっともなこと。
今は噛まれるので触れないが、普段はだましだましながら歯磨きしていることを伝えました。
予定通り手術を行うことで、こむぎを預け診察室を出ました。
出たとたんいろんな思いが錯綜して涙。
他の飼い主さんたちは「何?」という目で見ています。
一旦病院をあとにしました。
ケイタイに手術が終わったと連絡をもらい迎えに。
看護師さんから耳のことの説明をしてもらっている間に先にこむぎが出てきました。
すっかり麻酔も醒めて元気そうです。
早く私たちの元に来ようとバタバタしています。
手術の結果は「歯髄の下の方まで炎症を起こしてした。それから気になるのが亜脱臼。
かなり強い衝撃だったんでしょう」と。
半年後にまた再診です。
車に乗った直後は落ち着かなくて抱っこしていましたが、すぐにうとうと眠り始めました。
よっぽど疲れたのでしょう。
家に着きヨーグルトをペロリと完食すると爆睡していました。
その後 06年11月
当日からよく食べて元気にしています。
ただ亜脱臼があるので今まで通りにはいきません。
歯ごたえのある硬いおやつ類は禁止、硬いボールも禁止にしています。
こむぎはそんなことおかまいなしに松ぼっくりかじったり、家の中を爆走してヒヤヒヤさせられます。
せっかく残した歯、生かすも殺すも飼い主しだいです。
このままずっとこの歯で食べ続けられるよう、しっかりケアしていきます。
歯磨きのこと
こむぎの治療をしてくれたO先生はアメリカでの歯科治療のライセンスも持っている専門医です。
歯磨きのことを教えてくれました。
①歯磨き粉は必要ない
→歯垢を落とすのに歯磨き粉は不必要。
市販のものには信用でない成分のものもあると。
こむぎが使っている「C.E.T酵素入り歯磨き粉」はOKとのことです。
ただ歯磨き粉自体嫌がる子もいるので、そういう子には使う必要はないそうです。
(こむぎは歯磨き粉の味が大好き)
②歯磨きは水で充分
→歯垢を拭い取ってあげればいいとのこと。
ガーゼを指に巻き、水ぶきすればいいそうです。
力を入れすぎるとかえってエナメル質を痛めるそう。
意外と歯は弱い
硬い骨やひづめで歯を痛めることは知っていましたが、打撲で歯が折れるとは予想外でした。
その脆い歯を支えているあごは強靱なので、抜歯は大変だそうです。
特に犬歯は戦いや肉を引きちぎるのに使うのでより強力にあごについています。
あごの力が強いので硬いものをが囓って歯を痛めるワンコも少なくないそうです。
(コーギーに多いと言っていました)
普通にペットショップで骨やひづめが売られています。
そしてだいだいこんな謳い文句がついています。
「噛むだけで歯がきれいになる」と。
でもそれは危険と隣り合わせなのです。
